車の個人売買完全ガイド!取引方法・メリット・デメリットから注意点まで徹底解説

車の個人売買完全ガイド!取引方法・メリット・デメリットから注意点まで徹底解説

車を売る際にディーラーに任せるべきか、個人売買にするべきかで迷う人は多くいます。車の売買方法を正しく理解していないと、余計な手間や思わぬ損失を招きかねません。この記事では、車の個人売買の方法とメリット・デメリット、手続きの流れ、注意点を解説します。

記事を読めば、初めてでも安心して個人売買で車を売却できます。車の個人売買は適切な情報と準備があれば可能です。個人売買のポイントを押さえ、納得できる取引を目指しましょう。
» 車を高く売るには?売却時期と買取業者の選び方

車の個人売買の方法

車の個人売買の方法は以下のとおりです。

  • オークションやフリマサイト
  • 友人や知人間の直接取引
  • 仲介サイトやアプリを利用した方法

オークションやフリマサイト

オークションやフリマサイトでは地域を問わず全国規模で買い手を探せるため、高値での売却が期待できます。車の売買取引が可能なサイトは、以下のとおりです。

  • ヤフオク
  • メルカリ
  • カーセンサー個人間売買
  • Goo個人間売買

多くのサイトで手数料がかかるため、出品前に費用をあらかじめ確認しておきましょう。取引の信頼性を高めるには、写真や動画を使って車の状態を正確に伝える必要があります。評価システムを活用すると、買い手の信頼を得やすくなります。

買い手が遠方の場合は実際に車を確認できないため、できるだけ詳細な情報を伝えることが重要です。代金のやり取りは、サイトが提供する取引システムを利用すると安全です。

友人や知人間の直接取引

友人や知人との直接取引は相互の信頼関係にもとづいて行われるため、安心して取引できる方法です。友人や知人と取引するメリットは車の状態や使用履歴に関する詳細を伝えやすく、取引内容を柔軟に調整できる点です。直接取引は仲介手数料が不要で価格交渉や支払い、引き渡し時期なども当事者間で自由に決められます。

知人のネットワークを通じて、信頼できる相手を紹介してもらえる場合もあります。直接取引は必要書類や手続きも対応してもらいやすいため、初めて車の個人売買をする人でも安心です。ただし、友人や知人であっても車検の時期や金銭面でのトラブルに発展するケースもあるため、誠実に対応しましょう。

仲介サイトやアプリを利用した方法

仲介業者が取引を代行するサイトを利用すれば、第三者が間に入るため、初めての売買でも安心して進められます。仲介サービスでは車両検査や保証を付帯できる場合があり、買い手の不安を軽減できます。多くの仲介サイトは代金預かりサービスにより、車の確認後に売主へ代金が支払われる仕組みです。

名義変更や書類の提出など、手続きに関するサポートを仲介業者から受けられるため、個人売買に不慣れな人でも安心です。ただし、仲介サイトの利用には手数料が発生します。手数料の相場は売買価格の約5〜10%が一般的です。

車の個人売買のメリット

車の個人売買のメリットは以下のとおりです。

  • 高く売れる
  • 安く購入できる
  • 取引相手を選べる

高く売れる

個人売買では中間業者が介在しないため、買取と比較して20〜30%高く売却できる可能性があります。個人売買のメリットは希望価格に近い金額での売却が可能で、車の状態や特徴を自分の言葉でアピールできる点です。

珍しい車や人気車種、整備された車両は、高値での取引が期待できます。購入希望者が複数集まった場合は、価格がさらに上がるケースもあります。個人売買はスタッドレスタイヤやカーナビなどの付属品も含めてまとめて売れるため、総合的に高額での取引が可能です。
» 車を高く売るコツと準備することを解説!

安く購入できる

個人売買で車を購入するとディーラーや販売店で買うよりも、約15〜30%ほど安く購入できます。個人売買では、販売手数料や整備費用などの仲介手数料が発生しないためです。同じ年式・グレードの車両でも、個人売買は数十万円の差が生まれるケースもあります。

個人売買によるメリットは、以下のとおりです。

  • 値引き交渉がしやすい
  • 諸費用がかからない
  • 車両の状態や整備履歴を確認しやすい

個人売買は価格が安いだけでなく、前オーナーが丁寧に乗っていた車両に出会える場合もあります。総合的にコストパフォーマンスの高い取引ができる可能性があります。販売店にはない車種や仕様に出会える点も、個人売買の魅力です。

取引相手を選べる

個人売買は買い手と直接コミュニケーションが取れるため、車に関する質問や要望に対応しやすくなるのも魅力です。個人売買は自分と相性の良い相手を見極め、大切に乗ってきた車を理解してくれる人に譲る満足感も得られます。

車を売却した後の対応に関しては、事前に取り決めをするとトラブルに発展しにくくなります。取引相手に子どもがいる場合は、チャイルドシートの機能などの使用感の共有も可能です。

車の個人売買のデメリット

車の個人売買のデメリットは以下のとおりです。

  • 隠れた不具合を見逃すリスクがある
  • 手続きが複雑になる
  • ローン利用が難しい

隠れた不具合を見逃すリスクがある

個人間取引のデメリットは見た目では判断できない車両の不具合を見逃す点です。専門的な知識や設備がなければ、個人売買では以下の点を見逃す可能性があります。

  • エンジンやミッションの問題
  • 電装系統の故障
  • 修復歴や事故歴の隠蔽
  • 走行距離の改ざん
  • 水没歴

個人売買を行う人の中には故意に不具合を隠しているケースもあります。個人売買では購入後の保証やアフターサービスがなく、修理費用は自己負担となる場合が一般的です。車検時に予想外の不具合が見つかり、追加の修理費用が発生するリスクもあるため、購入前の確認は慎重に行いましょう。

手続きが複雑になる

個人売買では名義変更などの各種手続きを自分で行う必要があります。個人売買の際に自分で行う手続きは以下のとおりです。

  • 陸運支局や運輸支局への訪問
  • 譲渡証明書の準備
  • 自動車税納税証明書や自賠責保険証の準備
  • 車庫証明の取得

書類の手続きは基本的に平日の営業時間に限られるため、仕事を休まなければならない場合もあります。書類に不備があると、手続きのやり直しが必要になるリスクもあるため、事前に内容を確認しましょう。
» 車の売却に必要な書類を解説!

ローン利用が難しい

個人間での車の売買ではローンを利用しにくい点が課題です。車の販売店と異なり、提携ローン会社がないため、資金調達は買い手の自己責任となります。個人売買では銀行や信販会社のローン審査が通りにくい傾向があり、信用情報に問題がある場合はローンを利用できません。

販売店を通した取引と比較すると、個人売買は手続きの手間と時間もかかるため注意が必要です。中古車専用ローンを利用する場合は事前審査が必須です。銀行のマイカーローンは個人間取引の場合、担保設定ができないことから金利が高くなる場合もあります。

個人売買でローンを利用する予定であれば、審査にかかる時間を考慮して余裕を持ったスケジュールで取引の計画を立てましょう

車の個人売買の流れ

車の個人売買の流れは、以下のとおりです。

  1. 車の状態確認と条件合意
  2. 売買契約書の締結
  3. 代金支払いと車両引き渡し
  4. 車両・自賠責保険の名義変更
  5. 任意保険の手続き

車の状態確認と条件合意

車の個人売買を進める際は、最初に車の状態の確認と売買条件を合意しておく必要があります。初期段階で条件を確認しておくと後々のトラブルを防げます。車の状態を確認する際は外観や内装を目視で点検し、傷や汚れをチェックしましょう。

見つかった車の傷や汚れは写真に残しておくとトラブル防止に役立ちます。実際に車を試乗し、乗り心地や異音の有無を確かめる必要もあります。

車の状態で確認するポイントは以下のとおりです。

  • エンジンやブレーキの動作確認
  • 走行距離
  • 車検の残存期間
  • 修理歴や事故歴
  • 整備記録や点検記録

車両の状態を十分に確認した後は売買条件の合意を取りましょう。車の価格交渉を行い、双方が納得できる金額を決定してください。

売買契約書の締結

売主と買主の間で必ず書面にて売買契約書を締結してください。口頭での約束では売買の証明が難しく、トラブルの原因になります。契約書には車両の詳細な情報を正確に記載する必要があります。車両の情報は年式や走行距離、車台番号、不具合などは、すべて記載しましょう。

以下の項目も、売買契約書に必ず記載してください。

  • 販売価格と支払い方法
  • 保証内容
  • 引き渡し日時と場所
  • 自動車税や車検残存期間の按分計算方法
  • 名義変更の期限と担当者
  • 不具合発生時の責任範囲

売買契約書は2部作成して売主と買主が書類に署名・押印し、各自1部ずつ保管してください。トラブル防止の観点から実印を使用しましょう。売主または買主が契約内容に特約事項を設ける場合は、別途書面に明記する必要があります。売買契約書は当事者間で曖昧な表現は避け、責任の所在を明確にしてください。

代金支払いと車両引き渡し

車の代金支払いは現金、または銀行振込が一般的です。銀行振込を利用する場合は、入金の確認ができてから車両を引き渡してください。現金の支払いでは引き渡し時に代金を受け取り、受領書を発行しましょう。車両代金の領収書と譲渡証明書を作成し、買主と売主の双方で保管してください。

車両・自賠責保険の名義変更

車を個人売買した後は、車両の名義と自賠責保険の名義変更を必ず行ってください。変更手続きを怠ると法律違反となり、罰則の対象になる可能性があります。名義変更は、売買成立から15日以内に完了させる必要があります。普通車は運輸支局、軽自動車の場合は軽自動車検査協会が手続きの窓口です。

名義変更の手続きには印紙代や手数料が発生し、普通車は約5,000円、軽自動車は約3,000円の費用が必要です。自賠責保険の名義も新たな所有者へ変更しましょう。自賠責保険の残存期間も同時に引き継がれます。名義変更の手続きは平日の営業時間内に行う必要があります。

手続き先の混雑状況によっては半日以上かかる場合もあるため、時間に余裕がない場合は代行業者への依頼がおすすめです。名義変更によってナンバープレートが変わる場合もあるため、新しいプレートの用意も必要になることがあります。

任意保険の手続き

任意保険の手続きで最初にすることは、現在加入している保険会社への解約の連絡です。任意保険は名義変更ができないため、買主は新たに任意保険に加入しなければなりません。保険会社に連絡した際は、解約返戻金の有無を必ず確認しましょう。

任意保険の解約手続きには保険証券と印鑑が必要です。補償の空白期間を作らないために、名義変更と同時期に任意保険の切り替えを行いましょう。車両を乗り換える場合は「車両入替」の手続きを利用すると、任意保険の等級を引き継ぐことも可能です。

車の個人売買の注意点

車の個人売買の注意点は以下のとおりです。

  • 車両情報を正確に伝える
  • 相手側の連絡先を把握する
  • 自動車税の支払いを決めておく
  • トラブルは第三者機関に相談する

車両情報を正確に伝える

相手に正しい車両情報を提供すると後々のトラブルを防ぎ、安心して取引を進められます。以下の車両情報は必ず伝えましょう。

  • 車検証・メンテナンス記録
  • 事故歴・修理歴
  • 走行距離
  • 不具合・故障箇所
  • 定期点検・交換部品情報

小さな子どもがいる家庭では車両の安全面に関する情報が重要です。タイヤやブレーキなどの消耗品の状態、チャイルドシートの取り付けに関する情報なども共有しましょう。車両の実際の状態と写真が一致しているかの確認も必要です。車両の状態は車両評価書やプロの査定結果を添付すると信頼性が高まります。

車両のカスタム部品や後付けパーツの有無も明記し、隠し事のない誠実な取引を心がけましょう。

相手側の連絡先を把握する

車の個人売買では相手の連絡先を事前に把握しておくことが大切です。名義変更の手続きや引き渡し後に問題が発生した際、連絡が取れないと深刻なトラブルにつながる恐れがあります。本人確認のために、運転免許証などの身分証明書の写しをもらうと安心です。

取得した連絡先や本人情報は売買契約書に正確に記載し、連絡が取れる状態を保ちましょう。

自動車税の支払いを決めておく

自動車税の支払い方法が決まっていないと、後から金銭的なトラブルに発展する可能性があります。自動車税は毎年4月1日時点の車両所有者に対して1年分が課税されます。売買時期によって税負担の割合が変わるため、あらかじめ明確な取り決めをしておくことが必要です。

以下の点を、車の売買成立前に必ず話し合っておきましょう。

  • 自動車税の月割りによる按分方法
  • 次年度の税納付情報の通知と確認方法
  • 名義変更後の税金関係書類の転送
  • 自動車税納税証明書の受け渡し方法
  • グリーン化税制による課税内容の確認

自動車税の按分は月単位で分け合うのが一般的ですが、売主または買主が全額を負担するケースもあります。自動車重量税や環境性能割など、他の税金も同時に話し合っておきましょう。

車検のタイミングと売買時期が近い場合は、税負担との兼ね合いを踏まえたうえで話し合いましょう。万が一、自動車税が未納の場合は、必ず清算してから売買を完了させてください

トラブルは第三者機関に相談する

車の個人売買でトラブルが発生した場合は当事者間で解決せず、第三者機関に相談しましょう。トラブルが発生した際に相談できる機関は以下のとおりです。

  • 国民生活センター・消費者センター
  • 自動車公正取引協議会
  • 弁護士・法テラス
  • JAFなどの自動車関連団体
  • 警察

個人間の話し合いでの解決が難しい場合は、簡易裁判所の民事調停を利用する選択肢もあります。民事調停は専門家のサポートを受けながら、適切な解決方法を見つけられます。

まとめ

車の個人売買は仲介手数料が発生しないため、高く売却したり安く購入したりできるメリットがあります。一方で、不具合に気づけない場合や、名義変更などの手続きを自分で行わなければならないデメリットもあります。

個人売買の取引中にトラブルが発生した場合は当事者間だけで解決せず、第三者機関に相談しましょう。車選びは重要な決断となるため、個人売買のメリット・デメリットを十分に理解したうえで判断しましょう。