どんな車でも10万円買取は本当?実際の相場と高く売るコツを解説

どんな車でも10万円買取は本当?実際の相場と高く売るコツを解説

車の売却を検討する際に「どんな車でも10万円買取」などの広告が本当なのか、疑問に感じる方は多くいます。この記事では、どんな車でも10万円買取の実態や買取価格の決まり方、買取業者選びのポイントなどを解説します。記事を読めば、買取業者の宣伝文句に惑わされず、最適な売却方法の選択が可能です。

買取業者の「どんな車でも10万円で買取」などの広告は、ほとんどが条件付きです。車の買取価格は、査定を受けなければ正確にはわかりません。車の買取条件を確認し、信頼できる業者を選択しましょう。
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どんな車でも10万円買取の現実

買取業者の「どんな車でも10万円買取」などの広告を確認すると、小さな文字でさまざまな条件が記載されています。10万円で車を買い取ってもらうためには車種や年式、走行距離などの要件があるため、注意が必要です。10万円買取がうたわれる理由や実際の買取価格の相場について解説します。

10万円買取がうたわれる理由

買取業者が「10万円買取」をうたうのは、集客が目的です。車の買取市場は競争が激しいため、他社との差別化の手段として買取業者が顧客の注目を引くキャッチフレーズを利用しています。実際には「10万円買取」はすべての車には適用されず、特定の車種や状態の良い車を買い取る場合に限定されます。

さまざまな理由で査定額が減額される可能性があるため、車を10万円で買い取ってもらうための条件を事前に確認しましょう。

実際の買取価格の相場

「どんな車でも10万円で買取」をアピールしている業者でも、状態が悪い車の場合は買取価格は3〜5万円程度にとどまります。実際の買取価格の相場は、以下のとおりです。

  • 10年落ちの普通車:5〜15万円
  • 10年落ちの軽自動車:10万円以下
  • 15年以上経過した車:5万円以下
  • 走行距離10万km超:5万円以下
  • 事故車や故障車:5万円以下
  • 不動車:3万円以下

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買取価格は車種や車の状態によって大きく変わります。トヨタのプリウスなど、人気のある車種は10年落ちでも15〜25万円での買取が一般的です。海外で需要がある車種は他の車種よりも5〜10万円高くなります。古い車や状態の悪い車は、想像以上に低価格での買取になる可能性があります。

車の買取価格を決定する要素

車の買取価格を決定する要素は以下のとおりです。

  • 車種や年式
  • 走行距離と車の状態
  • 市場の需要と流行

車の買取価格を決定する要素を理解しておくと、有利な条件で車を売却できます。

車種や年式

車種と年式は車の買取価格を大きく左右します。シエンタやステップワゴンなどは室内が広く、チャイルドシートの取り付けも簡単なため、買取市場で需要が高い傾向にあります。SUVタイプの車種もファミリー向けの車として人気です。

C-HRやヴェゼル、RAV4などは走行の安定性と使い勝手の良さから、中古市場でも高い評価を得ています。限定車種や特別仕様車は、一般モデルより買い取り価格が高値です。発売から3年以内の新型車種は、高価買取が期待できます。人気車種でも10年以上経過すると買取価格が下落するため、注意が必要です。

トヨタやホンダ、日産などの国産車は部品供給が安定しており、買取市場でも高評価を得られます。外車は部品調達の難しさやメンテナンス費用の高さから、年式による価格下落が早めです。

走行距離と車の状態

車の走行距離は少ないほど高値で売却できます。走行距離が10万kmを超えた車は、買取価格が下がるため注意が必要です。車を売却する際は走行距離だけでなく、車の状態も重要です。10万km走行していても、定期的にメンテナンスをしている車は評価が上がります。

買取業者が車の状態で注目するポイントは以下のとおりです。

  • エンジンやミッションの状態
  • 外装の傷やへこみ
  • 内装の汚れや臭い
  • 事故歴の有無

定期的な清掃を心がけ、車の状態を良好に保つと高価買取につながります。

市場の需要と流行

現在の車買取市場では、子育て世代に人気の車種ほど高く売れます。ミニバンやSUVは室内が広くて使いやすいため、子育て世代の需要が高めです。安全性能が高い車種は需要が高く、買取価格が安定しています。環境に配慮したハイブリッド車や電気自動車なども人気です。
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燃料価格の高騰により、燃費の良い車への需要が年々増加しているため、エコカーの買取価格も安定しています。国産車は外車に比べて部品調達やメンテナンスが簡単なため、中古市場での需要が高くなっています。新型コロナウイルスの影響で半導体が不足した際は新車の供給が制限され、中古車全体の需要が上昇しました。

車の買取価格は需要と供給のバランスによって変動するため、売却を考える際は市場の動向も確認しましょう。

車の買取価格の損と得を分ける基準

車の買取価格の損と得を分ける基準について、以下の点を解説します。

  • 中古車買取と廃車買取の違い
  • 中古車で売れる車と廃車買取が損な車
  • 返戻金や還付金に関する注意点

中古車買取と廃車買取の違い

車を手放す際、中古車買取と廃車買取の2つの選択肢があります。中古車買取は問題なく走行ができて市場価値のある車が対象です。中古車買取では車の再販を目的としており、年式や走行距離、車の状態が重視されます。廃車買取よりも中古車買取は買取価格が高いことが一般的です。

中古車買取は市場の需要変動の影響を受けやすくなっています。廃車買取は、走行が困難な車や市場価値が低い車が対象です。廃車買取の場合、車両本体よりもパーツや素材(鉄やアルミなど)の価値が重視されます。廃車買取でも、状況によっては自動車重量税や自動車税の還付金が受け取れます。

同じ車でも、買取方法によって手元に残る金額は大きく変わることが一般的です。

中古車で売れる車と廃車買取が損な車

中古車市場で需要が高い車は、年式が10年以内や走行距離が10万km未満の場合です。中古市場で人気のある車種は以下のとおりです。

  • ハイブリッド車:プリウスやアクア
  • 軽自動車:N-BOX
  • SUV:ランドクルーザー
  • ミニバン:ハイエース

SUVやミニバンの需要は常に安定しているため、中古車市場でも高値で売却できます。廃車買取になり、査定額が低くなりがちな車は以下のとおりです。

  • 年式が15年以上前の国産車
  • 年式が10年以上の外車
  • 走行距離が15万km以上の車
  • 事故車や大きな修復歴がある車
  • 希少性の低い国産セダン

廃車買取では車両本体ではなく部品や素材としての価値で査定されるため、査定額は大幅に下がります。軽自動車は維持費の安さから中古車市場でも需要はありますが、年式が古くなると価値が急落します。
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返戻金や還付金に関する注意点

返戻金や還付金は車を手放す際に受け取れるお金です。廃車や買取時に受け取れる返戻金や還付金の金額は、売却時期や条件によって変わります。買取価格に返戻金や還付金を含めて表示している買取業者も存在します。

「どんな車でも10万円買取」などの広告は、買取金額に返戻金や還付金が含まれているかを確認しましょう。返戻金や還付金の手続きは必要書類を準備し、自分で申請する必要があります。手続きが遅れると返戻金や還付金が減額されるため、車を手放した際は早めに申請しましょう。
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自動車重量税の返戻金は、廃車時に車検が長く残っているほど多くの金額が戻ってきます。軽自動車は自動車重量税の返戻金制度が適用されません。自賠責保険は未経過分の保険料が還付されます。

どんな車でも買取してくれる業者選びのポイント

どんな車でも買取してくれる車買取業者を探す際は、以下の点を確認しましょう。

  • JPUCに加盟しているか
  • 口コミや評判が良いか
  • 全国展開しているか

車買取業者の選び方を誤ると査定額が不当に低かったり、追加料金を請求されたりするトラブルに発展します。

JPUCに加盟しているか

車買取業者を選ぶ際は、JPUC(一般社団法人日本自動車購入協会)への加盟状況を確認しましょう。買取業者のウェブサイトで、JPUCのロゴや加盟証明が表示されているかを確認してください。JPUCに加盟している業者は法令順守の意識が高く、公正な取引の遂行を約束しています。

JPUCの公式サイトでも加盟業者リストの確認が可能です。JPUC加盟業者では、厳格な審査基準をもとに適正価格での買取を実現しています。定期的な監査を実施しており、トラブル時の相談先も備えているため、JPUC加盟業者は安心して利用できます。

口コミや評判が良いか

口コミや評判は、車買取業者を選ぶ際の重要な判断材料です。信頼できる業者を見分けるために、第三者の評価サイトを確認しましょう。GoogleやSNSの口コミ、みん評などの評価サイトでは、実際に車買取業者を利用した方の口コミを確認できます。悪い口コミがある場合でも、誠実に対応している業者は信頼できます。

口コミや評判を確認する際は、以下の内容に注目しましょう。

  • スタッフの対応の丁寧さ
  • スタッフの説明のわかりやすさ
  • 無料査定から買取までの流れ
  • 査定額と実際の買取額の差
  • 買取後のトラブル対応

長年営業している業者は口コミの蓄積があるため、正確に信頼性を判断できます。

全国展開しているか

全国展開している買取業者は店舗数が多く、地方に住んでいる方や引っ越し先でも利用できて便利です。資金力と買取実績があるため、全国規模の業者は安心して利用できます。全国規模の業者では買取システムが確立されており、出張査定などのサービスも充実しています。

出張査定サービスは、店舗まで足を運べない方でも利用できて便利です。全国規模の業者には、地域密着型の業者に比べて細かい対応や融通が利かないデメリットもあります。「どんな車でも買取」をアピールする大手の業者も増えていますが、安易に飛びつかず、信頼できる業者を慎重に判断しましょう。

車を高く買取してもらうコツ

車を高く買取してもらうコツは以下のとおりです。

  • 売ると決めたらすぐに売る
  • 愛車の状態を把握する
  • 洗車や室内清掃をしておく
  • 中古車の需要が高まる時期を狙う
  • 複数の業者で査定してもらう

売ると決めたらすぐに売る

車を高く買取してもらうためには早めの行動が重要です。車は時間とともに価値が下がるため、売却を決めたら速やかに手続きを進めましょう。新車登録から3年以内の時期や車検が切れる前後の時期は、時間の経過とともに価値が急激に下がります。

車の売却を延期してタイミングを逃すと月単位で価値が数万円下がるため、注意が必要です。季節的な要因や為替変動なども車の買取価格に影響します。「車を修理してから売ろう」と考える方もいますが、修理費用が買取価格の上昇分を上回る場合も多くあります。

車の買取相場は常に変動しているため、売却を決めたら1週間以内に査定を受けましょう。新しい車の購入を決めた時点で車の売却検討がおすすめです。
» 車の購入前に知っておきたい!新車と中古車の違いや購入方法

愛車の状態を把握する

車を高く売るためには、愛車の状態を正確に把握する必要があります。査定の際は査定員に伝えるべき情報を事前に整理しておくとスムーズに進められます。車の状態は走行距離や年式、外装の損傷、修復歴の有無などを確認しましょう。修復歴は買取価格に大きく影響するため、正確な情報を確認してください。
» 車を高く売るコツと準備することを解説!

車の査定を依頼する前に、以下の点も確認しましょう。

  • 改造の有無
  • 純正部品の有無(部品を交換した場合)
  • グレードの情報
  • タイヤの残り溝
  • リコール対応の有無

» 車のグレードとは?違いや選び方、調べ方を解説!

買取価格にプラスになる改造もありますが、一般的に純正状態の方が高く評価されます。査定の際は車検証や整備記録も重要です。定期的なメンテナンス履歴があると車を大切に乗ってきた証拠となり、査定額アップにつながります。

洗車や室内清掃をしておく

車を高く買取してもらうためには外装と内装の清潔さが重要です。査定員に良い印象を与えるために、査定前には洗車と室内清掃をしましょう。査定の際に外装が汚れていると車の状態が悪く見えるため、査定額が下がります。外装はタイヤやホイール、ボディなどを丁寧に洗いましょう。

車を洗車すると傷やへこみの状態も正確に確認できます。修理費用が査定額の上昇分を上回る場合も多いため、軽微な傷は無理に直す必要はありません。車の室内清掃も重要です。車の室内はダッシュボードや小物入れの中、ドリンクホルダー、灰皿などを重点的にきれいにしましょう。

室内はシートのしみやこぼれた飲み物の跡を清掃し、フロアマットは必要に応じて交換してください。車内の臭いも査定に影響するため、消臭剤を使用するか、しばらく窓を開けて臭いを飛ばしましょう。洗車や清掃の時間がない場合は、プロによる洗車サービスの利用もおすすめです。

中古車の需要が高まる時期を狙う

車の買取価格を上げるためには、中古車の需要が高まる時期を狙って売却すると効果的です。中古車の需要が高まる時期は、以下のとおりです。

  • 3月と9月の決算期前後
  • 新年度が始まる4月前後
  • ボーナス支給後の6〜7月、12〜1月
  • 年度末の2〜3月

決算対策で買取業者が買取強化キャンペーンをしている時期は、通常より高い査定額が期待できます。4WDや雪道に強い車種は冬、ファミリーカーやミニバンは行楽シーズン前のゴールデンウィークや夏休み前に需要が高まります。新車の発売やモデルチェンジの情報にも注目してください。

新型モデルの発売前は、旧モデルの下取り価格が上がります。市場動向をチェックし、需要が高まるタイミングで車を売却すると有利な条件での取引が可能です。
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複数の業者で査定してもらう

車の買取価格を上げるためには、複数の買取業者に査定を依頼すると効果的です。1社の査定だけでは本当の相場がわからず、提示された金額の妥当性を判断できません。業者によっては査定額に数万~数十万円の差が出るため、最低でも3社以上の査定を取りましょう。

査定の際に「他社では〇〇円で買い取ると言われました」と伝えれば、価格交渉が可能です。一括査定サービスを利用すれば、1回の申し込みで複数の業者から見積もりをもらえます。オンライン査定と実車査定では金額が変わるため、注意してください。
» 車一括査定はやめたほうがいいと言われる理由を解説

車を売却する際は買取金額だけでなく、手続きのしやすさや引き取り条件なども比較検討しましょう。

まとめ

買取業者の「どんな車でも10万円で買取」などの広告は集客が目的で、条件付きの場合がほとんどです。車の買取価格は車種や年式、走行距離などによって変動します。車の状態を確認し、中古車買取と廃車買取のどちらが最適かを慎重に見極めましょう。

車の買取業者を選ぶ際は、JPUCへの加盟状況や口コミを確認してください。車の買取価格を上げるためには、早めの行動が重要です。「どんな車でも10万円で買取」などの宣伝文句に惑わされず、最適な方法で愛車を売却しましょう。